money_format

(PHP 4 >= 4.3.0, PHP 5, PHP 7)

money_format数値を金額文字列にフォーマットする

説明

money_format ( string $format , float $number ) : string

money_format() は、number をフォーマットして返します。この関数は C のライブラリ関数 strfmon() をラップしたものですが、一度に 変換できる数値がひとつだけであるという点が異なります。

パラメータ

format

フォーマット指定の書式は以下の順になります。

  • % 文字

  • フラグ(オプション)

  • フィールドの幅(オプション)

  • 左精度(オプション)

  • 右精度(オプション)

  • 変換文字(必須)

フラグ

以下のフラグのうちひとつあるいは複数が使用可能です。

=f

文字 = の後に続く(シングルバイトの)文字 f が、数値埋め文字として使用されます。 デフォルトはスペース文字です。

^

グループ化文字(現在のロケールで定義されている)を使用しないようにします。

+ あるいは (

正の数、負の数の書式を指定します。+ が使用された場合、 + および - に該当する そのロケールの符号マークが使用されます。( が使用された場合、負の数は括弧で囲まれます。何も指定しなかった場合、 デフォルトは + です。

!

出力文字列から通貨記号を除きます。

-

指定した場合、すべてのフィールドを左詰め(右側に数値埋め文字が追加される) にします。デフォルトはこれと反対で、すべてのフィールドを右詰め (左側に数値埋め文字が追加される)にします。

フィールドの幅

w

10 進の数値形式の文字列で、フィールドの幅の最小値を指定します。フラグ - が使用されていない限り、フィールドは 右詰めとなります。デフォルト値は 0(ゼロ) です。

左精度

#n

10 進の基準文字(例: 小数点)より左側の最大の桁数 (n) を指定します。これは通常、 n より少ない桁数の数値に対して 数値埋め文字を使用することで、出力の桁位置をそろえるために 使用されます。実際の桁数が n より 大きい場合、この設定は無視されます。

^ フラグでグループ化文字が抑止されていない場合、 (もし存在するなら)数値埋め文字が追加される前にグループ化文字が 挿入されます。グループ化文字は数値埋め文字には適用されません。 たとえ数値埋め文字が数字であったとしても同様です。

位置あわせを確実にするため、出力中の数値の前後に表れる文字(たとえば 通貨記号や符号など)は、必要に応じて(正の数と負の数の長さをそろえるなど の理由で)スペース文字が付加されることがあります。

右精度

.p

ピリオドに続く数値(p) で、10 進の基準文字以降の桁数を指定します。 p の値が 0(ゼロ)であった場合、基準文字と それ以降の数値は省略されます。右精度が指定されていない場合、 使用中の現在のロケールからデフォルト値を検出します。 フォーマットされる数値は、フォーマット前にこの桁数に丸められます。

変換文字

i

ロケールの国際通貨フォーマット(例: USA ロケールでは USD 1,234.56)によってフォーマットします。

n

ロケールの国内通貨フォーマット(例: de_DE ロケールでは EU1.234,56) によってフォーマットします。

%

% 文字を返します。

number

フォーマットする数値。

返り値

フォーマットした文字列を返します。 フォーマット文字列の前後の文字は、そのまま返されます。 number が非数値の場合は NULL を返し、 E_WARNING を発行します。

注意

注意:

システムで strfmon が使用可能な場合のみ money_format() 関数が定義されます。例えば、Windows では strfmon は使用できません。 そのため money_format() は Windows では 定義されていません。

注意:

ロケール設定のうち、LC_MONETARY カテゴリの内容が この関数の振る舞いに影響します。この関数を使用する前に、 setlocale() で適切なデフォルトロケールを 設定してください。

例1 money_format() の例

この関数の使用法を詳しく説明するために、 さまざまなロケールおよびフォーマット指定を使用します。

<?php

$number 
1234.56;

// en_US ロケールの国際フォーマットで表示します
setlocale(LC_MONETARY'en_US');
echo 
money_format('%i'$number) . "\n";
// USD 1,234.56

// イタリアの国内フォーマットで小数点以下 2 桁で表示します
setlocale(LC_MONETARY'it_IT');
echo 
money_format('%.2n'$number) . "\n";
// Eu 1.234,56

// 負の数を使用します
$number = -1234.5672;

// US の国際フォーマットで、負の数には () を使用して
// 左精度を 10 桁にします
setlocale(LC_MONETARY'en_US');
echo 
money_format('%(#10n'$number) . "\n";
// ($        1,234.57)

// 上と同じですが、それに加えて右精度を 2 桁
// 数値埋め文字として '*' を使用します
echo money_format('%=*(#10.2n'$number) . "\n";
// ($********1,234.57)

// 左詰め、幅 14 桁、左精度 8 桁、右精度 2 桁、グループ化文字なしで
// de_DE ロケールの国際フォーマットを使用します。
setlocale(LC_MONETARY'de_DE');
echo 
money_format('%=*^-14#8.2i'1234.56) . "\n";
// Eu 1234,56****

// 変換指定の前後に宣伝文句を追加します
setlocale(LC_MONETARY'en_GB');
$fmt 'The final value is %i (after a 10%% discount)';
echo 
money_format($fmt1234.56) . "\n";
// The final value is  GBP 1,234.56 (after a 10% discount)

?>

参考

  • setlocale() - ロケール情報を設定する
  • sscanf() - フォーマット文字列に基づき入力を処理する
  • sprintf() - フォーマットされた文字列を返す
  • printf() - フォーマット済みの文字列を出力する
  • number_format() - 数字を千位毎にグループ化してフォーマットする